太郎焼のご紹介

小豆の花ってどんなの?
煮るときに2粒が落ちたので、拾って店の前の花壇に蒔いたら
いつのまにか、育っていました。
小豆は生きていると実感しました。



もう豆が育っておりますね。
この写真は夏のものです。
冬近し、収穫の季節になりました。


小豆(あずき)の煮るこつは・・・あんこを造るこつ

あんこを造るのは、かなりの時間と労力がかかります。
まず小豆は、和菓子用で定評の海道産のものを選びます。
ランクがいろいろと有りますので、特上品を使います。
最近の小豆は石抜きが機械により高精度で選別されています
が、60Kgに一粒ぐらいの混入が有ることがあります。
それを取り除くことも、お客様の信用を損なわないようにするには必要です。
小豆を、たっぷりの水で煮ていきます、沸騰すると豆が膨らみます
そのとき、小豆大の石や不出来な豆などは、重いので下の方へ分離
して集まる様に火加減をコントロールしたり、差し水をしたりします。
火を消してから、しばらくして豆が沈んだらあくぬきをします。

 

この時点では、小豆はまだ「がりがり」した歯触りです。
この時点で、石抜きと、不出来な小豆などを手で選別するのですが
かなりの根気が必要です。
 その作業が終わったら、たっぷりの水で煮ます。
豆が柔らかくなり、パンクしてきたら次は砂糖を入れるタイミング
を見計らって、余分な水分を捨て去り、上等な純粋砂糖で煮詰めるのです。
砂糖は高価な小豆と比べると、安価ですからたくさん入れるとあんこがたくさん
出来ます。しかし少な目に入れたほうがたくさん食べられます。
砂糖でも甘さの少ない種類がありますが、たくさん入れるとカロリーが増える
ので上白糖を適量を使うのが原則です。
オリゴ糖なんかも甘さが上白糖の3分の1というのですが、あんこのかさを
増やしてくたくさん造るために入れたら、味も薄くなるし、高カロリーあんこ
になってしまいます。
そんなあんこだったら、工場で造った安いあんこで十分でしょう。
自家製のおいしいあんこは、けっして原価を安く上げるためではなく、いっそう
材料に手間や材料価格を投じるためです。
あんこは仕入れた方が、数分の一の価格で済むあんこも、味を守るためには自家製
で造る他に方法はありません。

煮詰めるのは、やけどをしないように注意が必要です。
また火力が強すぎても、焦げ付くので火加減をコントロールします。
あんこは、さめると固まって来ますので、適度に粘性が出てきたら仕上がりです。
一昼夜よーくさまして、翌日にはおいしさもまして、あんこの仕上がりです。
太郎焼のあんこは大福に入れるあんこと違って、あっさりしたうま味を生かすた
めに塩などの添加は最小限にするか、全く入れないかにします。
小豆は火力だけではなく、時間もかけて煮るのがこつです。
通常は、仕上がるまで4〜5時間かけるのがおいしく造るためには必要です。
以上、手作り自家製あんこの作り方でした。

和菓子の味を決めるのはほとんどが、「あんこ」です。
しかし、あんこにこだわる太郎焼は衣にもこだわり
独自の自家製衣を使っています。どらやきの衣と違い甘くはないのです
が、玉子と蜂蜜たっぷりの衣は太郎焼のおいしさを追求した答えです。

以上で、太郎焼のおいしさの秘訣を公開しました。
ごくありふれた事柄ですが、材料コストや手間を考えると
おいしさを守って、末永くお客様にご賞味いただくために
は当然のことと思います。
営利を目的にしたらとうてい出来ない味が太郎焼の人気の秘密です。

現在、地域によって違うところもございますが、私どもの店のほとんどの
太郎焼は1個90円の税込みで販売しております。

(注 上記文面作成 1997年の文章のために18年近くで原材料が高騰していて価格は大幅に違います)

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